脳卒中後下垂足に対するFES vs AFO

J Rehabil Med. 2012 Jan;44(1):51-7. doi: 10.2340/16501977-0909.

Effects of an implantable two-channel peroneal nerve stimulator versus conventional walking device on spatiotemporal parameters and kinematics of hemiparetic gait.

最近少なくなった埋込みFESとAFOにて歩行の運動学的パラメータが約6か月後どう変化するかのRCTです.結果はFES群のほうがAFO群に比べて麻痺側のstanceやdouble suppportが正常に近づいたとのことですが,有意差ありもその差は数%と微妙な差でした.この論文では実際の理学療法はどの程度実施されていたのか不明でしたが,FESでは背屈を補うことで新たな(というか従来持ってた)機能を再獲得するわけで,再度パフォーマンス学習が必要なのではと思います.より効果的な動作練習を加味すればもっと効果がでるだろうにと単純に思いました.物理療法系の研究全般に言えることですが,今我々に求められているのは物理療法を効果的に加えた運動療法,すなわち「理学療法」の効果ではないかとシンプルに思います.物理療法はさまざまな疾病や障害を抱えた方にベストなコンディションにするための補助的ツールである場合が多いかと思います.そう考えれば適応はかなり広がりますし,もっと臨床効果もあがるでしょうし,物療を気軽に用いていただけるのかもしれませんね.話は大分それましたが,けっこう細かい視点の研究も多くそれはそれで重要なことですが,もっとシンプルな,クリニカルな,実践的なわかりやすい臨床介入研究が増えれば物理療法学会のみならずPT学会も盛り上がるのではと・・・改めて思いました.けどそれって簡単そうで難しいんですよね.その答えは臨床にあるはず!!,今日同僚との何気ない患者さんの問題点に関するdiscussionで一つの疑問と現状の問題点に気づきました.こういったものを大切にして,そして究明していかなくてはならないということでしょうか・・・