非特異的腰痛に対するTENS vs 干渉波の効果

Sao Paulo Med J. 2011;129(4):206-16.

Effects of transcutaneous electrical nerve stimulation (TENS) and interferential currents (IFC) in patients with nonspecific chronic low back pain: randomized clinical trial.

 
今週は気合の入った3ネタでございます。まずは非特異的腰痛に対するTENS対IFC(干渉波)です。慢性の非特異的腰痛は理学療法にとっても永遠のテーマといれるほど合併されている患者さんが多いと思われます。現在のエビデンスでは,TENS等ポジティブな結果がある程度報告されていますが慢性期には推奨されていません。マニュアルセラピーは相反するエビデンスがありますが,患者教育や運動療法はポジティブな結果が多いようです。そこで,鎮痛目的にTENSを・・・というわけですが,現在臨床でも干渉波電流IFCという機械が多く用いられているかと思います。干渉波は異なる2つの中周波帯域の周波数を掛け合わせることで,その間に干渉電流と呼ばれる電流が生じる。これは従来の低周波TENSと比較して,中周波のため皮膚のインピーダンスを抑えれるため皮膚刺激感覚を減少させることができるというメリットがあるといいます。そんなわけで,ぶっちゃけどっちがいいのかというきわめてクリニカルな研究ですが,結果はTENSとIFCとどちらも効果はほぼ同じで,コントロール(患者教育)群よりは有意に改善したとのことです。しかもNSAIDsの使用量もへったそうです。2週間10セッションの効果を見てますが,VAS平均50から10くらいまで低下してます。これって効果ですぎなのではと思うくらいきれいなデータでしたが,今回のinclusionの非特異的腰痛のくくりがさまざまであり,何が良かったのか,なぜ同等の効果であったのかは不明確な点が数多く残されています。非特異的腰痛自体原因がはっきりしないのでよくわかりませんが,あくまで物理療法は理学療法と一部としてとらえるべきであり,少しでも腰痛を軽減させてエクササイズや患者指導,認知行動治療に移行するべきかもしれません。でないと電気依存症になってしまいますので真のゴールからは外れてしまいます。慢性の非特異的腰痛は近年心理社会的な対策も踏まえて考えていくべきとされていますので,物理療法を含め,腰痛も多角的な視点で介入していく必要があるのだと思います。

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コメント: 1
  • #1

    sprawdź sam (金曜日, 03 11月 2017 21:45)

    mozólcie